近年、SNSや動画プラットフォームの進化に伴い、60秒程度で完結するショート動画が急速に普及しています。
特に、YouTube Shorts、Instagramリール、そしてTikTokは、企業やクリエイターにとって、情報発信やマーケティングにおいて非常に効果的な手段として定着しつつあります。
本記事では、これからショート動画の活用を検討している企業や広報担当者の方々に向けて、ショート動画の企画、撮影、編集、プロモーションのポイントを、わかりやすく解説します。
INDEX
ショート動画の魅力と市場動向
まずは、なぜショート動画に勢いがあるのかについて話していきます。
短尺動画が注目される理由
短尺動画がこれほどまでに注目を集めているのには、以下の理由が挙げられます。
◇視聴者の時間的制約への適合
数十秒という短い時間で情報を伝達できるため、忙しい現代人のスキマ時間に最適です。
◇高い拡散力とリーチ
SNSのアルゴリズムが短尺動画を優遇する傾向にあり、フォロワーが少ないアカウントでも高い再生数を獲得できる可能性があります。
◇制作の容易さ
スマートフォン一台で撮影、編集、投稿が完結するため、専門的な知識や高価な機材がなくても、企業が手軽に導入できます。
最新統計で見る主要プラットフォームの勢い
◇YouTube Shorts
・1日あたりの再生回数:700億回以上(出典:YouTube Official Blog)
・月間アクティブユーザー数:20億人以上(出典:TechCrunch)
・平均エンゲージメント率:5.91%
・累計再生回数:数十兆回規模と推定
※ 1日700億回以上の再生数を基にした推定値。2022年1月時点で5兆回突破と報じられており、その後も急増しています。
◇Instagramリール
・Instagram全体の月間アクティブユーザー数:20億人以上(出典:Business of Apps)
・Instagram利用時間の約50%がリール視聴(出典:Instagram for Creators)
・平均リーチ率:30.81%(出典:Adam Connell)
※他の投稿形式(画像、カルーセル)と比較して高いリーチ率を示しています。
◇TikTok
・月間アクティブユーザー数:15億人以上(出典:Statista)
・1日平均利用時間:約95分
日本市場の現状
日本国内に絞って見てみると、以下のようなデータが出ています。
・国内の動画広告市場:7,249億円(2023年実績、前年比115.9% = 15.9%増)
・国内の縦型動画広告市場(TikTok・Instagram中心):900億円(2023年実績、前年比171.1% = 71.1%増)
・日本ユーザーの短尺動画視聴:半数以上が日常的に視聴(特に若年層で高い視聴習慣)
2023年時点でこの数値なので、2025年現在、そしてこれから先は更に加速していくことが予想されます。
主要プラットフォームの比較
続いて、各プラットフォームの特徴を比較します。
アカウントを運用する際は、ご自身の事業内容や目的に合わせたプラットフォーム選びが大切です。
各プラットフォームの比較表
比較項目 | YouTube Shorts | Instagramリール | TikTok |
---|---|---|---|
ユーザー層 | 幅広い年齢層、情報志向 | 若年層中心、感覚的・ビジュアル重視 | 若年層中心、トレンドに敏感 |
表示形式 | 検索、ホーム表示、関連動画 | 発見タブ、フィード、ストーリーズ | おすすめフィード |
アルゴリズム | 高い拡散力を有し 過去の動画も視聴されやすい | トレンドに乗りやすく 発見タブで拡散しやすい | 非常に高い拡散力 トレンドを作り出す |
コンテンツ傾向 | チュートリアル、レビュー、Vlog、ショートドラマ、コント、切り抜きなど | ファッション、ライフスタイル、グルメ情報など | トレンドダンス、チャレンジ企画、エンタメ、グルメ情報など |
再利用性 | YouTube内で資産として蓄積しやすい | 一時的なバズを生み出しやすい | 一時的なバズを生み出しやすい |
広告機能 | TrueView広告、アプリインストール広告などが提供される | フィード広告、ストーリーズ広告、リール広告などが提供される | インフィード広告、ブランドエフェクトなど |
外部リンク | 動画説明欄に外部リンクの設定が可能 | ストーリーズ、プロフィールに外部リンクの設定が可能 | プロフィールに外部リンクの設定が可能 |
関連動画への誘導 | 別のショート動画への導線が充実 | ストーリーズやプロフィールでの誘導が主 | プロフィールでの誘導が主 |
短尺動画の企画・構成のポイント
効果的なショート動画を制作するためには、以下の3つのステップで構成することが重要です。
企画や台本無しで撮影しても、99.9%望む結果は得られません。
1.冒頭3秒で視聴者の心を掴む(フック)
例:「〇〇しないと損する驚きの理由とは?」、「90%の人が知らない〇〇の裏側」
など、視聴者の好奇心を刺激するような導入部分を作りましょう。
2.シンプルで視覚的な展開(ボディ)
Bロール映像(メインの映像素材ではない、補足的な映像素材)テロップ、ナレーションなどを効果的に組み合わせ、テンポよく情報を伝達します。
例:商品の使用方法をステップごとに紹介する、専門家が〇〇について解説するなど。
3.明確なアクションを促す(クロージング)
「詳細はプロフィールのリンクから」、「今すぐ〇〇をチェック」など、視聴者に具体的な行動を促すメッセージを入れましょう。
これを入れることで、本来の目的(集客・採用など)に繋がりやすくなります。
その他の企画アイデア
さらに、以下の企画アイデアも効果的です。
- ストーリー形式での商品紹介:商品の特徴やメリットを、物語を通して伝達します。
- お客様の声やQ&A:お客様からの質問に答える形式や、お客様のレビュー動画は、信頼性を高める上で非常に有効です。
- 舞台裏やオフショット:普段は見られない企業の裏側や、スタッフの素顔を見せることで、親近感や共感を得ることができます。
ショート動画の撮影・編集テクニック
撮影のポイント
◇縦型構図の最適化
9:16の縦型動画に最適化された構図で撮影しましょう。
横で撮影した動画を編集で縦型にすることもできますが、ショート動画として撮影する際は最初から縦で撮影しましょう。
◇照明
自然光または照明を使用し、被写体を明るく照らします。
特に窓際で撮影する際は注意が必要です。逆光や影に気を付けるだけでなく、時間経過により日光の当たり方が変わり、カットの前後で違和感が発生することもあります。
◇音声
外部マイクを使用するなどして、クリアな音声を録音します。
また、反響や空調のノイズなどにも注意しましょう。物が少ない部屋では反響しやすくなります。
(映像に気が向きがちですが、実は音声の方がこだわるべきポイントです。)
◇手ブレ補正
ジンバルや三脚を使用し、安定した映像を撮影します。
手持ちで撮影する際は、画像のように脇をしっかり閉めて腕と胴体を固定することで、手ブレが起こりにくくなります。

おすすめ機材
続いて、ショート動画撮影におすすめの機材をご紹介します!
カメラ




照明


マイク



スマホ用ジンバル

三脚



「いきなり機材を買うのは不安…」という方は、レンタルでお試しすることもできます!
東京オフラインセンター(公式サイト)
編集のテクニック
- テンポ:2秒以内の短いカットを多用し、動画にリズム感を与えます。
- テロップ:大きく、読みやすいフォントを使用し、15文字前後の短いテロップを表示します。
- 効果音とBGM:動画の雰囲気に合った効果音やBGMを挿入し、視聴者の感情を揺さぶります。
- トランジション:単調な映像にならないよう、様々なトランジションを効果的に使用します。
◇おすすめ編集アプリ
CapCutは、TikTokの運営会社が作っている編集アプリです。
Adobe Premiere RushはPremiere Proの無料版と考えてください。
Adobe Premiere Proのみ有料、DaVinci Resolveは無料版と有料版があります。
効果的な運用と投稿戦略
投稿タイミング
投稿時間によって大きく結果が変わることは無いので、深夜や早朝を避ければOKです。
投稿を始めたらアナリティクスを確認して、視聴者のアクティブ時間に合わせて調整しましょう。
拡散のための戦略
- トレンドの活用:人気の楽曲やハッシュタグ、チャレンジ企画などを取り入れ、動画の発見可能性を高めます。
- 視聴者との交流:「あなたの意見を聞かせてください」、「コメントで教えてください」など、視聴者にコメントを促す仕掛けを作ります。
- クロスプロモーション:TikTok、Instagram、X(旧Twitter)など、他のSNSプラットフォームでも動画を共有し、露出を増やします。
- SEO対策:タイトル、説明文、ハッシュタグにキーワードを盛り込み、検索結果に表示されやすくします。特に、YouTubeショートは、過去の動画も検索結果や関連動画に表示される可能性があるため、長期的な資産として蓄積できる点が特徴です。
まとめ
ショート動画は、現代のデジタルマーケティングにおいて、非常に強力なツールとなりつつあります。YouTube ShortsやInstagramリール、TikTokなどを効果的に活用することで、少ない予算でも大きな成果を上げることが可能です。
「ショート動画を始めたいけれど、何から始めたらいいかわからない」
「動画の企画や編集に時間がかけられない」
「ショート動画を継続的に運用するための体制を構築したい」
このような課題をお抱えの企業様は、ぜひ映像制作とSNS運用のプロフェッショナルであるAGITOにご相談ください。
AGITOが提供するサポート内容
- 企画立案から構成、撮影、編集まで、ショート動画制作をトータルでサポート
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- YouTube、Instagram、LINE公式アカウントなど、複数のプラットフォームに対応
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